大阪のゴム加工会社 厳選した12社をカテゴリー別にご紹介

目次

ゴム加工とは

ゴム加工とは

「ゴム」という素材は、引っ張ると伸びて、放すと元に戻る「弾性」という性質を持っています。タイヤや消しゴムはすぐに思い浮かぶと思いますが、実際には自動車・医療・建設・家電など、ほぼすべての産業分野のなかで数えきれないほど使われています。

ゴム加工とは、この「ゴム」という素材を、目的の形・強さ・性質を持った製品に仕上げるための製造技術の総称です。ゴムはそのままでは柔らかく強度が不足しているため、熱・圧力・化学処理を組み合わせることで、工業部品として使えるものになります。

最も大切な工程が「加硫(かりゅう)」です。ゴムに硫黄などの薬品を加えて熱を与えることで、ゴムの分子どうしが化学的につなぎ合わされ、弾力性・強度・耐久性が大きく向上します。1839年にアメリカのチャールズ・グッドイヤーが発見したこの技術がなければ、現代のゴム産業は存在しなかったといっても過言ではありません。

ゴム加工の会社は、大きく次の3タイプに分けられます。

  • 成形加工型:金型を使い、熱と圧力でゴムを目的の形にする加工会社です。プレス成形、射出成形、押出成形などが代表的です。
  • 切削加工型:固まったゴムのブロックや板を、刃物や水圧で削り出して形にする加工会社です。
  • 専門部品型:Oリング、パッキン、シール、ガスケットなど、特定の部品に特化して製造する会社です。

大阪のゴム加工会社一覧

大阪のゴム加工会社一覧

大阪・東大阪を中心に、高い技術を持つゴム加工関連の会社が多数集積しています。以下は、MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)に登録する会社の中から、ゴム加工に関わる会社を分類・整理したものです。

カテゴリー① 成形加工(金型を使い形を作る)

会社名 主な製品・特徴
大阪ラバテック株式会社
松原市
フッ素ゴム・特殊ゴム成形品、防振ゴム、シール用パッキンなどに対応。材質のカスタマイズ提案を得意とする会社です。
角丸ゴム株式会社
大阪市
ゴム配合(練り生地)から成型まで一貫対応。昭和30年創業の老舗で、多品種小ロットにも対応しています。
株式会社シナガワ
東大阪市
ゴム・樹脂の打ち抜き、スライス、成形加工に対応。パッキングのパイオニアとして、難加工にも強みを持っています。
錦城護謨株式会社
八尾市
工業用ゴム部品の製造・販売を行う1936年創業の会社です。防水スマートフォン向けゴム一体成形などにも対応しています。
杉本工業株式会社
大東市
自動車、化学産業、建設機械向けのゴム樹脂部品を製造。溶接肉盛・溶射による部品寿命延長も手がけています。
株式会社石井ゴム
守口市
医療器用ゴムパッキン、医療用分包機部品、自動車部品などに対応。小回りの利く対応力を持つ会社です。

カテゴリー② 精密成形・金型一貫製造

会社名 主な製品・特徴
株式会社出雲
門真市
ゴム・樹脂の成型加工と精密加工部品を、金型製作から量産まで一貫製造。ISO14001を取得しています。
JASI株式会社
和泉市
オイルシール、Oリング、パッキン部材の精密ゴム成形に対応。ゴムと金属の複合接着成型を得意とし、中国拠点も持っています。

カテゴリー③ 切削加工(削り出す)

会社名 主な製品・特徴
株式会社アキツ
東大阪市
旋盤、マシニングセンタ、ウォータージェットでゴムを削る特殊技術を持つ会社です。3Dデータ対応、1個からの小ロット・短納期対応が可能です。

カテゴリー④ シール・パッキン専門

会社名 主な製品・特徴
株式会社オーエヌテクノロジー
八尾市
フッ素Oリング、ダイヤフラム、ウレタンゴム成形品などに対応。航空機、半導体設備、工作機械向けの部品を手がけています。
株式会社光洋テクニカ
八尾市
パッキン・ガスケット専門メーカー。建設機械、食品飲料、半導体製造装置向けのシール製品に対応。1954年創業の会社です。

カテゴリー⑤ 発泡・スポンジ素材

会社名 主な製品・特徴
新英産業株式会社
東大阪市
ポリウレタンフォーム・ゴムスポンジを専門とする会社です。スポーツ施設、医療、保育向け防護マットの製造施工も行っています。

主要なゴム材料

主要なゴム材料

ゴムといっても種類はひとつではありません。使われる環境や求められる性質に応じて、素材を使い分けます。

天然ゴム(NR)

天然ゴムは、ゴムの木の樹液を原料とするゴムです。弾力と引っ張り強さに優れており、タイヤや防振ゴムなどに広く使われます。ただし、油や熱には比較的弱い面があります。

スチレンブタジエンゴム(SBR)

スチレンブタジエンゴムは、石油を原料に合成された、最も普及している合成ゴムのひとつです。耐摩耗性が高く、タイヤのトレッド部(地面と接触する部分)や靴底などに多く使われます。

ニトリルゴム(NBR)

ニトリルゴムは、油に強いゴムです。エンジンオイルやガソリンに長時間触れても劣化しにくいため、自動車のオイルシール、ホース、Oリングなどに適しています。

エチレンプロピレンゴム(EPDM)

エチレンプロピレンゴムは、紫外線・オゾン・雨への耐性が高く、屋外での長期使用に向いています。車のドアや窓まわりのパッキン(ウェザーストリップ)や、建築用防水シートなどに使われます。

シリコーンゴム(VMQ)

シリコーンゴムは、マイナス60℃から200℃以上の幅広い温度で使える素材です。食品衛生面でも使いやすいため、医療機器、食品機械、調理器具などにも使われます。

フッ素ゴム(FKM)

フッ素ゴムは、すべてのゴムの中でも最高レベルの耐熱性・耐薬品性を持つ素材です。半導体製造装置や化学プラントなど、過酷な環境で使われます。大阪ラバテック株式会社や株式会社オーエヌテクノロジーが得意とする素材です。

ウレタンゴム・ゴムスポンジ

ウレタンゴムは耐摩耗性が高く、発泡させるとクッション材や断熱材として使用できます。ゴムスポンジやポリウレタンフォームは、スポーツ施設、医療、保育向けのマットなどにも使われており、新英産業株式会社が専門としています。

 

ゴム加工の流れ

 

① 配合・混練(こんねん)

① 配合・混練(こんねん)

まず、ゴムの原料にさまざまな「配合剤」を混ぜ込みます。「バンバリーミキサー」や「ロール機」と呼ばれる大型機械で、ゴムと配合剤を均一に練り混ぜます。

どの配合剤をどれだけ混ぜるかは、各メーカーが長年かけて磨いてきた「配合レシピ」であり、技術的なノウハウの核心です。

主な配合剤には、次のようなものがあります。

  • 加硫剤:硫黄など、ゴムを固めるための薬品。
  • 充填剤:カーボンブラック・シリカなど、強度と硬さを上げる材料。
  • 可塑剤:油など、ゴムを加工しやすくする材料。
  • 老化防止剤:紫外線や酸化による劣化を抑える材料。

② 成形

② 成形

混練したゴムは「コンパウンド」と呼ばれます。このコンパウンドを、目的の形に整える工程が成形です。製品の形状・数量・コストに応じて、さまざまな加工方法が選ばれます。

③ 加硫(かりゅう)

③ 加硫(かりゅう)

加硫は、ゴム加工の核心となる工程です。金型に入れたゴムを、通常150〜200℃で一定時間、加熱・加圧します。

この熱によって、ゴムの分子どうしが化学的に結びつきます。この反応を「架橋」と呼びます。架橋によって、柔らかいコンパウンドが、弾力・強度・耐久性を持ったゴム製品へと変わります。温度・時間・圧力のバランスが品質を大きく左右します。

④ 仕上げ・検査

④ 仕上げ・検査

加硫後のゴムには、金型の合わせ目からはみ出た余分なゴムが残ることがあります。これを「バリ」といいます。バリを取り除いた後、寸法・硬さ・引っ張り強さなどを検査します。合格したものだけが出荷されます。

主な加工方法

主な加工方法

プレス成形(圧縮成形)

プレス成形は、金型の中にゴムを置き、プレス機で上下から押しつけて形を作る最も基本的な方法です。金型のコストが比較的安く、多様な形状に対応できます。

一方で、バリが出やすいため後処理が必要になる場合があります。パッキンやシールなど、多くのゴム部品に使われています。

トランスファー成形

トランスファー成形は、「ポット」と呼ばれる容器にゴムをセットし、プランジャーで圧力をかけながら、金型の穴(ゲート)からゴムを流し込む方法です。

複雑な形状でも成形しやすく、バリが少ないのが特徴です。金属やプラスチックをゴムと一体化させる「インサート成形」にも向いています。

射出成形

射出成形は、スクリューでゴムを流動状態にして、金型内に高圧で注入する方法です。寸法精度が高く、大量生産に向いています。

自動化もしやすいため、安定した品質の部品を効率よく作ることができます。

押出成形

押出成形は、押出機の口金(ダイ)からゴムを連続的に押し出し、一定の断面形状を持つ長い製品を作る方法です。

ホース、チューブ、窓枠パッキンなど、「長尺もの」の製品に向いています。

切削加工

切削加工は、成形・加硫済みのゴムブロックや板を、旋盤・マシニングセンタ・ウォータージェットなどで削り出す方法です。

金型が不要なため、試作品や少量製品を素早く作るのに向いています。株式会社アキツが特に得意とする加工で、ゴムの柔軟性に対応した独自のノウハウが必要です。

ゴムの用途

ゴムの用途

自動車分野

自動車では、1台に数百点ものゴム部品が使われています。タイヤはもちろん、エンジンの振動を吸収する「防振マウント」、燃料や冷却水を通す「ゴムホース」、ドアや窓の隙間を塞ぐ「ウェザーストリップ」、オイル漏れを防ぐ「オイルシール」など、ゴムなしでは自動車は走れません。

医療・ヘルスケア分野

医療・ヘルスケアでは、注射器のゴム栓、医療チューブ、手術用グローブなど、清潔さと安全性が求められる部品にゴムが使われています。株式会社石井ゴムは、この分野に強い会社です。

工場・産業機械分野

工場・産業機械では、油・水・空気などを封じ込めるシール部品が欠かせません。オイルシール、Oリング、パッキン、ガスケットなどがここで活躍します。JASI株式会社、株式会社光洋テクニカ、株式会社オーエヌテクノロジーは、この分野に特化した会社です。

建設・インフラ分野

建設・インフラでは、橋が地震で崩れないよう揺れを吸収する「免震ゴム」、ビルの窓枠や水道管の継ぎ目に使われるシール材、道路の継ぎ目に使われるゴム部材など、社会インフラを守るゴムが存在します。

電気・電子機器分野

電気・電子機器では、ケーブルの被覆、スマートフォンや家電の防水パッキン、電気基板の防振材などにもゴムが使われています。小さな部品であっても、製品の安全性や耐久性を支える重要な役割を担っています。

スポーツ・医療向けクッション材

ウレタンフォームやゴムスポンジは、体育館・競技場の防護マット、医療機関のマットレス、保育教具などに使われています。新英産業株式会社がこの分野の専門メーカーです。

まとめ

ゴム加工は地味に見えますが、現代の産業社会を陰で支える非常に重要な技術です。素材の種類だけでも天然ゴムから各種合成ゴムまで多岐にわたり、加工方法も成形・切削・押出などさまざまです。

そして、各メーカーが長年かけて磨いてきた「配合レシピ」や「加工ノウハウ」こそが、製品の品質を支える本当の価値です。

大阪・東大阪エリアには、シール部品の専門家、切削加工の達人、高機能ゴムの成形メーカー、発泡素材のパイオニアなど、それぞれの得意分野を持つ個性豊かなゴム加工の会社が集積しています。