コラム:北極の氷と海面水位の関係は?

実は、北極の氷のように『海に浮いている氷』は、融けても水位は上がりません。

海面水位に影響するのは、『地上にある氷』(南極やグリーンランドの氷、氷河の氷など)が融けた場合です。

海に浮いている氷には、下から上に向けて『浮力』が働いています(左下の図)。

浮力の大きさは、『氷が押しのけた体積(左下の図で言えば、オレンジ色の部分)』に相当する海水の重さに等しくなります。これが『アルキメデスの原理』です。

浮いている氷は、『氷全体の重さ』『浮力』釣り合っているから浮いているのです。つまり、右下の図でいうと、氷全体の重さ(右側)と、水面下の氷の体積と同じ体積の水の重さ(左側)が等しいことになります。

氷が融けたら水になるので、右側の氷が融ければ、その体積は、ちょうど左側の水の体積まで縮むことになるのです。