植物由来切削油の構造と作用
植物由来切削油は原料として植物由来の脂肪酸と特殊なアルコールを合成されたエステルが基油となっています。
このエステルは長い分子構造の末端に極性基を持っています。この極性基がワークや工具表面に吸着配列して緻密な吸着膜を形成します。この吸着膜は流体潤滑と境界潤滑が混合する潤滑領域で効果を発揮します。
またこの植物由来エステルが持つ強い吸着膜に硫黄系などの極圧添加剤を添加すると切削性は向上します。そして同じ含有量であれば鉱物油由来製品にに比べ効果が高くなります。従って少量での効果的なことから極圧剤の含有量を削減でき切削性は向上できると考えています。
極圧剤といわれるもののほとんどが環境負荷の大きいため少量の添加で効果を発揮できるいうことは持続可能な環境を守りながら持続可能な産業化の促進をいう観点からSDGsの考え方に共鳴すると考えています。BTA加工のようなハードな難加工でも植物由来切削油の実績は多くなってきており今後もますます広がっていくと思います。