指定可燃物の切削油について
切削油の危険物と指定可燃物の違い
消防法が平成14年6月1日に改正されギヤー油、シリンダー油を除く250℃以上の製品は危険物の指定から外れ「可燃性液体類」という分類となり「危険物」の取り扱いから外れました。改正での大きなポイントは第3石油類では2000L,第4石油類では6000L以上の保有があると必要であった市町村長の許可が2000L以上の貯蔵、使用数量で届け出となった点です。また危険物から除外されたので国家試験免許のいる危険物保安監督者が不要となりました。この規制の緩和により250℃以上の製品を使用することは危険物の管理やコンプライアンスという点で役立てると考えております。特に潤滑性、冷却性、切り屑の排出、ハンドリング、危険性といった観点から油性切削油は一般的な加工では40℃で10㎣/sから20㎟/s程度の動粘度の製品が多くなっています。40℃で10㎣/sから20㎟/sの動粘度の製品は従来の鉱物油ベースの製品では引火点がどうしても200℃未満になり第3石油類に該当する製品となります。工場の運営において管理が比較的容易な少量危険物施設での枠内に収めたいというお話を頂きますが機械設備潤滑油や洗浄油、防錆油も工場の保管数量にプラスされますので切削油を水様性化もしくは低粘度、高引火点の指定可燃物切削油を選定する必要になります。
項目 |
第4類第三石油類 1気圧において引火点が70℃以上200℃未満のもの。 |
第4類第四石油類 1気圧において引火点が200℃以上250℃未満のもの。 |
可燃性液体類 1気圧において引火点が250℃以上のもの。(ギヤー油、シリンダー油を除く) |
貯蔵数量と届け出許可制 |
指定数量2000L以上で市町村長の許可
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指定数量6000L以上で市町村長の許可
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貯蔵、使用数量2000L以上で消防署長へ届け出➡指定可燃物となる。 |
貯蔵移設 | 危険物施設 | 危険物施設 | 可燃性液体類施設 |
危険物保安監督者 | 任命が必要 | 任命が必要 | 不要 |
消火設備 | 指定数量の1/5(400L)以上で必要 | 指定数量の1/5(1200L)以上で必要 | 貯蔵、使用数量2000L以上で必要 |