ユニバーサルラインとは

ユニバーサルラインは2本(1ペア)の電線でメインユニットとサブユニットを繋ぎ、時分割で複数のデジタル信号を双方向通信するシンプルな伝送(時分割多重伝送)です。複数のデジタル(接点)信号だけでなくアナログ、パルスも混在して伝送することが可能です。

機器はメインユニット(親局)とサブユニット(子局)で構成されます。伝送ライン上には、必ず1台の伝送メイン機能を持ったメインユニッが必要です。

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ユニバーサルライン特長

2本(1対)の線で多数の信号伝送が可能

1ラインにつきデジタルは256点、アナログは1,912点、パルスは239点の伝送が可能です。
デジタルのみの場合、管理ソフトで16ライン・4,096点の一元管理が可能になります。

混在した信号が伝送可能

デジタル、アナログ、パルスが混在して伝送できます。例えば防犯(デジタル)、温度(アナログ)、電力量(パルス)を一元管理することができます。

長距離・広域エリアの伝送が得意

電圧が高い信号なので長距離・広域でも信号が減衰しません。(伝送距離が9kmの場合、線直径0.9Φでデジタル256点を0.5秒で伝送可能)

ノイズに強い

信号幅が広いのでノイズに影響されません。

線種を選ばない

電線の制限がなく、CPEV線、VA線、IV線、OP線、同軸、ACコード等どのような電線でも使用できるので用途に最適な線種を選ぶことができます。光ファイバーやLANケーブルと比べると大変安価で、配線代を抑えることが出来ます。

配線レイアウトが自由にできる

2本の電線をパラレル接続すればどこからでも分岐できるので、配線に悩むことがありません。

必要な場所から場所へ信号の入出力が可能

双方向通信なので必要な場所から信号を入力し、必要な場所へ出力することができます。例えば設定値以上になった場合、同一敷地内のパトライト、監視盤等で報せることができます。またパソコン画面で信号の詳細を個別管理することもできます。
※管理ソフトが必要です

時分割多重伝送とユニバーサルライン伝送方法

時分割多重伝送とは

時分割多重伝送は一つの伝送路に順番を決めた複数の信号を時間ごとに切り替えて送受信する方式です。

ユニバーサルライン伝送方法

ユニバーサルラインは2本の電線を利用して、時分割多重伝送方式で1ライン256点のデジタル(接点信号)の双方向伝送が可能です。アナログ・パルスデータもデジタル化することで伝送可能になります。

デジタル信号の伝送について

1ライン256のアドレス設定したデジタル(接点)信号を伝送します。
メインユニットから24Vの電圧を約0.5秒間(基本仕様の場合)に256回配信します。入力ユニットは設定された順番(アドレス)がONの場合に信号を入力し、出力ユニットは設定された順番にONの信号があれば出力することで伝送を行います。

デジタル信号にアドレス番号を設定し、アドレス1からアドレス256までの矩形波(くけいは)を順に配信します。伝送ラインのスタート地点は信号幅、ON/OFFは電圧量で判断します。

  • 伝送ラインのスタート地点は信号幅を他の信号幅より広くすることで判断します。(図1、図2 リセット期間)
  • 信号のON/OFFは電圧量で判断します。OFFは0V、ONは-10V、伝送ラインのスタート地点と各アドレス間は24Vです。

図1 スイッチが全てOFFの場合

図2 スイッチ1と3がONの場合

アナログ信号・パルス信号の伝送

アナログ信号(電圧・電流・サーミスタ)、パルス信号(電力・カウンタなど)を伝送する場合はデータをアナログ化して伝送するため、デジタルの伝送アドレス(1~256)とは異なる「ポーリングアドレス」を使用します。

アナログ信号の場合は1ラインで1,912点の伝送が可能です。デジタル信号とアナログ信号を混在して伝送する場合は最大でデジタル信号120点、アナログ信号1,912点の伝送が可能となります。

伝送アドレスと「ポーリングアドレス」について

ユニバーサルラの伝送ライン上にはメインユニットから24Vの電圧が約0.5秒間(標準仕様)に256回配信されます。入力サブユニットは設定された順番(伝送アドレス)がONの場合に信号を入力し、出力サブユニットは設定された順番にONの信号があれば出力することでデータの伝送を行います。

デジタル信号のみ伝送する場合、デジタル領域として伝送アドレス1~256を使用します。
アナログ信号(電圧・電流・サーミスタ)とデジタル信号の伝送を行う場合、伝送アドレス1~128をアナログ領域として使用、伝送アドレス129~256をデジタル領域として使用します。

アナログ信号の伝送は、サブユニット1台につき1つの「ポーリングアドレス」を振り分けて信号の伝送を行います。これはデジタル信号で使用する伝送アドレスとは異なるもので、1~239まで設定可能です。

「ポーリングアドレス」を設定したサブユニットを1ライン上に239台設置することで、8点入力ユニットを使用した場合には最大1,912点(239台×8点)のデジタル信号の伝送が可能となります。

伝送時間はデジタル信号の場合は256点で約0.5秒ですが、「ポーリングアドレス」を使用したアナログ信号の場合は1ポーリングアドレスにつき1秒となります。

アナログ領域1~128について

アナログ領域アドレス 機能・説明
1~8 ①ポーリングアドレス 呼出エリア
呼び出したいアナログユニットのポーリングアドレス(1~239)を指定します。例えばポーリングアドレス12を設定したい場合、このエリアに16進数で「1,2,4,8,16,32,64,128」の要領で12の重み「00110000」を設定します。
9~16

➁ポーリングアドレス 呼出応答エリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットがポーリングアドレスを書き込んで応答します。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。

17~28

③1点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの1点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。

29~40 ④2点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの2点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。
41~52 ⑤3点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの3点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。
53~64 ⑥4点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの4点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。
65~76 ⑦5点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの5点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。
77~88 ⑧6点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの6点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。
89~100 ⑨7点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの7点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。
101~112 ⑩8点目 アナログデータエリア
①で指定したポーリングアドレスのアナログユニットが伝送ライン上に存在する場合、このエリアに当該アナログユニットの8点目のアナログデータが書き込まれます。存在していない場合、このエリアには何も書き込まれません。
113~128 ⑪システム領域エリア
システム領域エリアです。データの書込みは行わないでください。

 

情報提供は豊中計装株式会社