BTA加工における切削油の温度管理について
BTA加工は非常に過酷な加工法で通常の切削加工機械よりBTA専用機のタンク容量は大きくなっていますがそれでも切削油の油温はかなり高くなり油温管理をしないと60℃以上になってしまいます。そのため切削油の劣化や添加剤の消耗も通常の加工より早くなる傾向になります。基本的に切削油の極圧剤は基本的に時間×温度で効果は低下していくと考えています。使用期間が長いと低温でも徐々に劣化して少しづつ分解していき温度が高い条件ではさらに加速します。新油の補給がある程度あれば新しい添加剤の補給されますが補給量が少ないと劣化の一方です。さらによくあるのは切屑から分離した切削油を補給される量が多く新油があまりないケースでは劣化した添加剤だけが残っていると思われます。また劣化のスピードを抑えるのは酸化防止剤ですがこれも新油の補給がないと効果が半減します。BTA加工は特に切削油が高温にさらされる加工ですが30~40℃までをキープできれば理想的と考えます。タンク内の切削油全体が50℃を超える場合劣化は進み極圧剤だけでなく油膜を保持する効果のある油性剤も劣化し分解して効果が半減します。劣化が進むと粘度も上昇し酸価値も高くなり切削油としての機能がなくなっていきます。10℃高いと劣化速度は倍になると言われています。60℃以上の油温が長く続いている状態では極圧剤の劣化速度が速くまた切削油の効果の一つとして冷却性が挙げられますが60℃を超える温度では刃物のワークを冷却できていないと思われすでに切削油の機能が消耗している状態と思われます。従って適正なタンク容量かつオイルクーラーを設置して油温管理することが重要です。