水溶性切削油のエマルション粒径と加工性の関係
水溶性切削油では、エマルションの粒径が加工性・切削効率にかなり影響します。エマルションの粒径と実際の加した場合の相関は下記の通りです。
1.粒径が小さい(微細エマルション) 例:0.1〜1µm 程度
メリット
①切削点への浸透性が高い
→ 工具と被削材の隙間に入りやすい
②潤滑膜が均一に形成される
→ 摩擦低減、切削抵抗低下
③工具摩耗が抑えられる
④仕上げ面が安定・向上しやすい
向いている加工
①高速切削
②微細加工・精密加工
③アルミ、難削材(SUS、チタンなど)
④ミスト加工
注意点
潤滑は強いが、油膜が薄くなるため
→ 重切削では力不足になる場合あり
2. 粒径が大きい(粗いエマルション)例:5〜10µm 以上
メリット
①油膜が厚くなりやすい
→ 耐焼付き性が高い
②重切削・低速加工で安定
デメリット
①浸透性が低い
②高速加工では油が弾かれやすい。
③仕上げ面のバラつきが出やすい。
向いている加工
①低速・重切削
②鉄系材料の荒加工
③タップ・ブローチなど高負荷加工
3.切削効率への影響まとめ
| 粒径 | 切削抵抗 | 工具寿命 | 仕上げ面 | 高速対応 |
| 小さい | 小さい ◎ | ◎ 低い | 長い ◎ | 良好 ◎ |
| 大きい | △ | 〇 | △ | ✕ |
※実務で重要なポイントとして、水質(硬度)、希釈倍率、攪拌方法など同じ切削油でも粒径は条件で変わります。
まとめ(結論)
エマルション粒径が小さいほど浸透性↑、切削抵抗↓、工具寿命↑ということが推測され、高速・精密加工に有利になり、重切削では「ある程度大きい粒径」が有利な場合もあります。
今後、マイクロスコープでエマルションの粒径を確認していこうと考えています。

