米・イスラエルとイランの戦争と切削油の動向2

2026年5月1日現在でもイランとアメリカ、イスラエルの戦争の終焉が見えません。切削油、工業用潤滑油を製造販売している元売りや専業メーカーは3桁を超える大幅な値上げを打ち出しています。弊社でもサプライヤーからの原料不足からの大幅な価格改定や出荷制限、出荷ストップが相次いでおり値上げにせざる得ない状況です。しかし大幅なサプライヤーからの値上げを飲んでも供給制限をされています。また製品についても元売りに対し潤滑油製品や政府は原油は足りているので潤滑油の売り惜しみをしないように前年同月の量を出荷するように通達をしていましたが、ある大手元売りは5月よりすでに受注を受けている分を含めて工業用潤滑油の全面的な出荷ストップを実施しました。

弊社でも全国から新規のお客様からのお問い合わせを頂いており、また既存のお客様からは確保のための大量のオーダーを頂いています。やむ負えず弊社でも多くのお客様にいきわたるように大量の受注は制限をさせて頂いていますが可能な限り対応するようにしています。原料油や添加剤の多くが制限されており、最近では原料油満載のローリーが入荷して即製造していますが、ご注文分を出荷すると1日でが在庫なくなってしまうという状況が続いています。特に摺動面油はマシニングセンタやNC旋盤などの潤滑油として必須でありワンウェイで大量に消費されるためひっ迫しています。弊社でもこの油種のお問合せが多くあり可能な限り対応しています。

今後の流通の大きな流れを考えてみました。

● フェーズ1(すでに発生)
元売りの出荷制限
特約店への割当減少
スポット購入停止
「欲しくても買えない」が始まる

● フェーズ2(これから本格化)
優先順位付き供給へ移行
優先されるのは:
自動車OEM
インフラ系(電力・鉄道)
大手量産工場
中小加工業は
→ 入手難・納期遅延が顕在化

● フェーズ3(最も重要)
製品の“統廃合”
起きること:
採算の悪い製品 → 廃番
原料点数の多い高機能品 → 縮小
「選べる油が減る」

 切削油と潤滑油での違いが考えられます。

潤滑油(工業用)
ベースオイル主体
元売り依存が強い
影響:
供給制限が直接来る
粘度グレード欠品

切削油
ブレンダー(専業メーカー)依存
影響は2段階:
① ベースオイル不足(元売り影響)
② ナフサ→エチレン不足でシンセティックタイプの切削油が影響が大きい

結果:
今後は 同じ銘柄でも別物になる可能性がある
原料変更(代替品)
添加剤簡略化
品番は同じでも中身が変わる
高性能品ほど消える”
在庫を持っているところが優位
ルート外は入手困難
“囲い込み”が起きる
既存顧客優先
新規・小口は後回し
グレー市場の発生
価格の乱高下

などが考えられます。

 今後は水溶性切削油ではロングライフ型の切削油の検討、濃度・pH管理を徹底し使用量の削減が推進することが重要です。油性切削油ではろ過などの再生を試み使用期間を延命することを考えていくことが必要と思います。

5月1日付けある大手元売りの受注停止案内