切削油についての簡単なトリビア
切削油はモノづくりに欠かせないものですがものづくり以外の企業様にはなじみのないものです。用途として金属加工の際に使用される液体で、工具の摩耗を防ぎ、加工精度を高めるために使用されています。今回は切削油に関するいくつかの簡単なトリビアです。
1. 役割
冷却:加工中に発生する熱を吸収し、工具やワークピースの過熱を防ぎます。
潤滑:摩擦を減少させ、工具の寿命を延ばし、加工面の仕上がりを向上させます。
洗浄:切りくずを洗い流し、加工部位を清潔に保ちます。
防錆:金属表面を保護し、錆の発生を防ぎます。
2. 種類
水溶性切削油:水で希釈して使用し、主に冷却効果が高い。環境負荷が低く、清掃が容易。
油性切削油:鉱物油や植物油を基にしたもの。高い潤滑性能を持ち、特定の高難度加工に適している。
3. 添加剤
極圧添加剤:高負荷下での金属同士の直接接触を防ぐため、摩擦面に保護膜を形成します。
防錆剤:加工後のワークピースや機械部品の錆を防止します。
消泡剤:泡の発生を抑え、切削油の性能を維持します。
4. 選定ポイント
加工材質:アルミニウム、銅、鋼、チタンなど、素材によって適した切削油が異なります。
加工方法:旋盤加工、フライス加工、深穴加工など、加工方法に応じて適切な切削油を選びます。
環境・安全:環境負荷物質の含有量や、作業者の健康への影響を考慮した選定が重要です。
5. メンテナンス
フィルター交換:切削油の清浄度を保つために、定期的なフィルター交換が必要です。
濃度管理:水溶性切削油の場合、適切な濃度を維持することで性能を最大限に発揮します。
バクテリア対策:水溶性切削油は細菌の繁殖が懸念されるため、防腐剤の添加や定期的な交換が必要です。
6. 環境への配慮
再利用とリサイクル:切削油の再利用やリサイクルが推進されており、環境負荷を軽減する取り組みが行われています。
バイオベース切削油:植物油を基にした切削油が開発されており、環境に優しい選択肢として注目されています。
切削油の適切な選定と管理は、加工品質の向上だけでなく、工具寿命の延長や環境保護にも寄与します。
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