エマルションタイプとソリューションタイプの違い
お客様より「水溶性切削油のエマルションタイプとソリューションタイプのそれぞれタイプによって管理方法が違うのでしょうか。」と質問がありました。エマルションタイプ比べソリューションタイプはよりシビアに管理しないとトラブルになることが多い傾向にあります。特に夏場は錆によるトラブルが多くなります。水溶性切削油のタイプには油分が含有しているかしていないかによって管理方法やトラブル内容は違います。寄せられたこのような切削油のタイプよる違いを回答します。
1 エマルションタイプは混入油分が入ると抱き込みやすく糖度計では実際の濃度よりも高く表示される。ソリューションタイプでは炊き込みが少ないので糖度計で確認しやすい。
2 エマルションタイプは油分を多く含有しているためバクテリアの栄養源になりやすく腐敗に弱い傾向がある。水分補給の際には原液の補給も必ずして濃度管理をしっかりとした方がより液寿命が延びる。
3 エマルションタイプは水分が含有しているものは少ないので糖度計で測定してもそのままの読みでOKである。ソリューションタイプは原液中に水分が含有しているため換算する必要がある。
4 エマルションタイプは油分が多くあるので防錆性が比較的良好で機械や材料の錆びのトラブルが少なく機械にもやさしい。濃度が低下している状況でもソリューションタイプより錆びのトラブルが少ない。ソリューションタイプは劣化や濃度が低下すると錆びのトラブルが高くなるので原液を追加しない水だけの補給は危険である。
5 エマルションタイプは油分が多くあるのでソリューションタイプに比べ浸透性が弱く塗装にも比較的やさしい。
6 エマルションタイプは油分が多くあるのでソリューションタイプに比べ浸透性が弱く手荒れにもやさしい。
7 エマルジョンタイプの原液は危険物に該当するものあるので保管数量には注意が必要。
8 エマルジョンタイプは水分が蒸発すると油分が多く残り抱き込んだ混入油分の影響もありベタツキ機械類を汚しやすい。ソリューションタイプは水分が蒸発しても汚れにくいが固い膜が残り、切り屑の固着やマイクロメーターなどの測定具が動かないといトラブルが起こりやすい。
9 エマルジョンタイプはソリューションタイプに比べ硬水で使用すると分離するなどのトラブルが起きやすいので上水での使用が望ましい。
10 エマルジョンタイプは総合的に見て切削加工で使用する際には加工性、防錆性、機械への影響などの観点ではバランスが良い。
このようにエマルジョンタイプの方が管理方法が確立していればエマルジョンタイプタイプは機械の痛みや材料の錆びのトラブルも防止でき安心して使用できるのではないかと考えています。