切削油の手荒れなどの皮膚障害について

切削油が原因で手荒れを引き起こす主な理由には、以下のような要因があります。それぞれの原因を把握することで、適切な予防策を取ることができます。

1. 切削油に含まれる成分
切削油には、加工の効率を上げるための様々な化学物質が含まれています。一部の成分が皮膚に刺激を与えることがあります。
アルカリ性の添加剤:水溶性切削油には防腐や防錆の目的にアルカリ性の添加剤が含まれ、これらが皮膚のバリアである皮脂を破壊することがあります。
界面活性剤:油と水を均一に分散させるための成分で、皮膚の脂分を奪う可能性があります。殺菌剤:切削油の劣化を防ぐために使用されるが、肌への刺激やアレルギーを引き起こすことがあります。

2. 皮膚の脂分や水分の奪取
切削油には油分が含まれている一方で、皮膚から自然に分泌される脂分を洗い流してしまうことがあります。これにより、皮膚が乾燥しやすくなり、手荒れが進行します。

3. pHの影響
切削油の種類によっては、pH値が皮膚にとって不適切な場合があります。特にアルカリ性が強い場合、皮膚の自然なpHバランスを崩し、炎症や荒れを引き起こすことがあります。

4. 接触時間の長さ
切削油に長時間接触することで、皮膚への負担が蓄積されます。特に、作業中に切削油が直接手に付着していると、荒れやすくなります。

5. アレルギーや感作反応
切削油に含まれる特定の成分に対して、アレルギー反応を示す人もいます。長期間使用することで「感作」と呼ばれる体質変化が起こり、以前は平気だった成分に対してアレルギーを発症することがあります。

予防・対策

1.手袋の使用
耐油性のある手袋を使用することで、直接の接触を防げます。

2,肌に優しい切削油の選定
低刺激性や生分解性が高い切削油に切り替えることで、肌への影響を軽減できます。

3.保湿ケア
作業後に保湿クリームを塗ることで、皮膚の乾燥を防ぎます。

4.切削油の管理
切削油の適切な濃度管理や定期的な交換を行うことで、劣化した切削油による刺激を防ぎます。

5.手洗い後のケア
作業後に切削油をしっかり洗い流した上で、肌に合った保湿剤を使用しましょう。特にこまめな手洗いは重要です。手荒れが起こっている状態は傷になっている状態です。そのうえさらにアルカリ成分や界面活性剤などの刺激があり浸透性がある成分が付着しているとさらに悪化してしまいます。またかゆみも伴うため、かきむしってしまうこともあります。したがって速やかに洗い流し、できるだけ接触する時間を無くして保護クリームでケアしていくことで治癒につながると考えます。

もし具体的な症状や、使用している切削油の種類について教えていただければ、さらに詳細なアドバイスができます。